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湧源サイエンスネットワーク(YSN)
「子どもが何かに興味を持ったとき, それを導いてくれる人がそばにいてくれたら…」 そんな想いからこのネットワークを組織した (美馬のゆり著,「不思議缶ネットワークのこどもたち」より)
この湧源サイエンスネットワーク(以下YSN)は,1994年〜2000年にかけて実施された,コンピュータネットワークを利用した科学教育のあり方を模索するプロジェクトです.
YSNは,学校の生徒・児童と湧源クラブ会員有志からなるアドバイザーとをコンピュータネットワークで結び,生徒・児童から出された科学に関する質問・疑問にアドバイザーが応えるという形式で進められました.
実施校としては,1994年〜1996年は東京都目黒区立神応小学校の高学年の児童を対象に,1997年〜2000年は東京都立明正高校(現:東京都立芦花高校)の生徒を対象に行われました.また湧源クラブ側の体制としては,全国に散らばった大学生・社会人・研究者の会員の有志十数名がアドバイザーとして参加しました.
プロジェクトでは,子どもたちから,
- どうして人は死ぬのか?
- 宇宙は果てしないのか?
- うさぎはなぜはねるのか?
といった,教科書には答えの載っていない疑問が次々と寄せられ,アドバイザーは,これらの質問にどうやって答えたら子どもにも理解できる回答になるのか?・・・さらには,単なる正答返信マシーンにはならずに,子ども自身にも疑問について考えさせるきっかけを作る返事を出せるのか?悪戦苦闘することになりました.
プロジェクトを通じ,子どもたちからは
- 自分のこだわりを調べて、そこから楽しさや疑問がたくさんでてくることで「こだわる」ことのすばらしさがわかった
アドバイザーからは、
- 子どもに答えていくことで、自分もよくわかっていないことを発見した
- 身の回りの小さな出来事のおもしろさを再発見した
という感想が寄せられ,子どもはもちろんのこと,大人であるアドバイザーもともに学び会う世界が生じました.
なお,このYSNプロジェクトのうち,前半の神応小学校についての様子や成果については,冒頭で紹介した,湧源クラブ会員でプロジェクトの主宰者である美馬のゆりの著書「不思議缶ネットワークの子どもたち(ジャストシステム刊,1997年)」に詳しくまとめられています.詳しくは,こちらをご覧ください.
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